グリーンバシリスクの飼育方法
①グリーンバシリスクの紹介と魅力
今回紹介するのは、中南米原産の樹上性極美麗トカゲ、グリーンバシリスクです。
水の上を走る姿が有名な本種ですが、実はしっかり飼いこんだオスは非常に美しく荘厳な姿となりすさまじい存在感を放ちます。
オスがほしい方はある程度育った個体から飼育を開始することをお勧めします。
ワイルド個体のグリーンバシリスクを見たことがあるでしょうか?
あそこまでの美しさにまで育てるのは飼育下では不可能でしょうが、近い個体に育てることはできるはずです。
一方で、飼育への手間を惜しめば惜しむほどそれだけ個体のクオリティーは下がっていってしまい微妙な個体へと育ってしまいます。
あのインドシナウォータードラゴンと同じです。
全力を注ぎましょう!!
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-基本データ-
学名:Basiliscus plumifrons 英名:Plumed basilisk 分類:イグアナ科 バシリスク亜科 バシリスク属 分布:コスタリカ、パナマ、ニカラグア、ホンジュラスに生息 全長:60~70㎝ 価格:8000~12000円前後。ワイルドの個体では価格が上がることアリ。 寿命:約15年 生態と特徴: 青々とした深い森に囲まれた広い水路や入り江に沿って生息している。 敵に襲われ驚くと、水中へもぐったり水上を後肢を使って走って逃げる。 成熟したオスでは、頭部と背部にクレストが発達し荘厳な印象を受ける。 食性は肉食性が非常に強い雑食性。
②飼育環境の作り方
飼育に必要なもの
- 飼育ケージ
- 遠赤外線ヒーター
- バスキングライト
- 紫外線ライト
- 爬虫類用サーモスタット
- (ミスティングシステム)
- 床材
- 水入れ
- 流木
- エサ
- カルシウム剤
以下で必要なもの説明する。
・飼育ケージ
樹上性のため、高さのあるケージが必要になります。
ある程度の大きさまではグラステラリウム6060(60×45×60㎝)や9060(90×45×60㎝)で飼育しましょう。
成長しケージが狭くなってきたら最低でも90×45×100㎝以上のケージで飼育することをお勧めします。
市販のケージではグリーンバシリスクを飼育することは難しいですのでオーダーメイドで作ってもらうか、ガラス温室を使用するといいと思います。
いずれの場合でも通気性を保つことを忘れないでください。
蒸れた環境ではクレストはうまく成長しません。
・温度の設定方法
ケージ全体の日中の基本温度は25~28℃前後、夜間は24~26℃に保ちます。
暖突や散光型の保温球を使ってケージ全体を保温します。
爬虫類用サーモスタットを使うと、昼夜の温度差を調節することができるので使用をお勧めします。
日中、バスキング(日光浴)をするためのバスキングスポットにはバスキングライトを当て35~40℃前後に保ちます。
・紫外線
日中、紫外線ライトをバスキングスポットに照射してあげます。
紫外線に含まれるUVB,UVAはバシリスクの健やかな成長に欠かせないものなので必ず設置するようにしてください。
紫外線の強さはそう高いものでなく、森林用のものを選べばベストでしょう。
紫外線ライトやバスキングライトの話はこちら↓
・湿度について
グリーンバシリスクの飼育の肝となる部分です。
通気性を高めかつ多湿な環境を作り出すことが立派なクレストを生み出します。
湿度は常に50~70%以上を保つことがベストです。
グリーンバシリスクは水のなかにいることが好きですし、水も飲みます。
さらには、排泄を行うのも主に水の中ですし水入れがあれば空中湿度も保てるので体全体が入る水入れの設置は必須です。
水は毎日新鮮なもの変えてあげましょう。
難しいですが水入れを設置するのではなく、ケージの底面に水を張り強力なフィルターを回しアクアテラリウムを作るのもアリです。
むしろそれがベストかもしれません。
床材にはできるだけ保湿ができる素材のものを選ぶといいでしょう。
湿らせたヤシガラやパームマットの使用がおすすめです。
50~70%以上の湿度を保つといいと書きましたが数字にはこだわらず、毎日数回ケージ全体に霧吹きをかけるといい具合に湿度を保つことができると思います。
霧吹きを複数回することが難しい場合は、自動ミスティングシステムをケージ内に導入することで勝手に湿度を高めてくれるので超おすすめです。
お金に余裕がある人は買っちゃいましょう!!
・流木
グリーンバシリスクは樹上性ですので、ケージ全体に上りやすい流木を配置し個体満足させてあげるようにしましょう。
・エサ
主にコオロギやデュビアを与えます。
ベビーのうちは毎日、成熟したら週2,3回給仕するといいでしょう。
ピンクマウスなどは栄養価が高く肥満の原因となるので、与えないで育てられるのなら与えないのが無難だと思います。
コオロギやデュビアの詳しい飼育、繁殖方法はこちらをチェック↓
・カルシウム剤
カルシウムを与えないとクル病になる恐れがあります。
クル病は骨の形成がうまくされない病気であり、1回罹患すると治りませんし最悪の場合死に至る恐ろしい病です。
カルシウム剤にはカルシウムのほかにビタミンD3が含まれているのものもあり、含まれているものと含まれていないもの2つ用意する必要があります。
普段はビタミンが含まれていないものを餌に塗して与え、たまにビタミンが含まれているものを塗して与えてください。
③繁殖についてメモ
繁殖は容易な方だと言われています。
オス1匹に対してメス1匹もしくは複数匹を広いケージ、適切な温度、湿度、光量で飼育すると季節を問わず繁殖が行われるようです。
交尾が行われた後30~50日経つと、メスは巣穴をほりそこに卵を産みます。
1回に産む卵の数は10~15個程度。
卵は26℃程度で保つと2カ月程度孵化するようです。
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