◆カニンガムイワトカゲ◆
写真:Mark Gillow氏による”Cunningham’s Skink“ライセンスはCC BY2.0に基づく
➀カニンガムイワトカゲの紹介と魅力
今回紹介するのはイワトカゲの仲間の中で一番ポピュラーな種、カニンガムイワトカゲです。
オーストラリア原産の爬虫類は高価になりがちですが、同じくオーストラリア原産のフトアゴヒゲトカゲやキタアオジタトカゲに次いで比較的安価です。
というのがかつての話でした。
最近は入荷が少なめで価格が上がっているように感じます。
グスン。
気を取り直して、
カニンガムイワトカゲはトゲトゲとしたイワトカゲらしさをしっかりと持ち合わせており、イワトカゲの魅力を充分楽しむことができると思います。
40~50cm程度と程よい大きさで、雑食性、活発に動く。
と、かなり飼って楽しいトカゲであること間違いなしです。
ただ、噛まれるとかなり痛いので注意が必要です。
いくつかの注意点をしっかりと抑えればそう飼育は難しくないので、しっかりとこの記事を読んで飼育に臨みましょう。
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➁基本データ
写真:lostandcold氏による”Cunningham’s Skink (Egernia cunninghami)“ライセンスはCC BY2.0に基づく
学名:Egernia cunninghami 英名:Cunningham's skink 分類:トカゲ科 イワトカゲ属 分布:オーストラリア 全長:40~50cm 寿命:10~20年程度
➂飼育環境の作り方
飼育に必要なもの
- 飼育ケージ
- 遠赤外線ヒーター
- バスキングライト
- 爬虫類用サーモスタット
- 紫外線ライト
- 床材
- 水容器
- シェルター
- エサ
- カルシウム剤
以下で一つ一つ説明していきます。
・飼育ケージ
全長40~50cm程度ですので、最終的には90×45×45㎝以上の爬虫類用ガラス水槽で終生飼育できます。
ケージが小さいと、尾や背が曲がってしまうことがあるので注意が必要です。
野生下では、群れで生息しており飼育下でも多頭飼いが可能です。
ただし、オス同士は激しくけんかしますのでオス1+メス1、もしくはオス1+メス2で飼育するといいでしょう。
多頭飼いをする場合はケージを大きくするべきです。
3匹以上飼うなら、120×45×45㎝のケージで飼育すると良いです。
・温度について
日中の基本温度は26℃程度、バスキングスポットは30~35℃程度に調節。
基本温度は散光型保温球や暖突で、バスキングスポットはバスキングライトで保温します。
夜間は温度をやや下げるとベストです。
昼夜の温度差やバスキングライトの点灯・消灯には爬虫類用サーモスタットが便利ですのでおすすめです。
と、書きましたがこれはベビーまでの話。
カニンガムイワトカゲはかなり丈夫で、アダルトでしたら日中はバスキングライト以外必要ありません。
地域にもよりますが、冬の夜間でさえちょっとした保温ランプを設置するだけで飼育が可能です。
・紫外線ライト
カルシウム要求量が高いため、強い紫外線が必須です。
できる限り強い紫外線ライトを取り付けて、日中バスキングスポットに照射しましょう。
バスキングや紫外線について詳しく知りたい方はこちらをどうぞ
床材
乾燥した環境を好みそうなイメージですが、やや湿った環境を好みます。
バスクチップやヤシガラ土を敷いて、定期的に少し霧吹きをするといいです。
・水容器
ケージ内にはタッパーなどの容器に水を入れて飲み水にします。
毎日新鮮なものに取り換えてあげましょう。
・シェルター
ドライシェルター(乾燥しているシェルター)とウェットシェルターの2つを設置するほうがベターです。
ドライシェルターは石や市販のシェルターなどで組んであげましょう。
ただし、石の設置には注意が必要です。
床材の上に石を置くと生体がその下に穴を掘って押しつぶされてしまったり、何かの拍子に石が崩れて危険ですので、気を付けてください。
ウェットシェルターは市販の素焼きタイプのものを使用するのが便利です。
ウェットシェルターは上部のくぼみに水を入れることで、中の湿度が高めに保たれます。
これがあると脱皮不全が防げたりと何かと良い効果をもたらしますので必須です。
個体のサイズにあったものを設置しましょう。
市販のウェットシェルターに入ることができないサイズの個体には、大きめのプラケースやタッパー、洗面器などに湿らせた水苔を入れてコルクバークなどで蓋をして簡易的にウェットシェルターを作るといいでしょう。
・エサは何を与えるの?
雑食性ですので多様なエサを与えることが求められます。
「なんでも食べるということは何でもあげないといけない」とはよく言ったもので
雑食性のトカゲに偏った食事をさせると不健康な育ち方をしてしまうので注意が必要です。
ベビーは肉食強めの雑食性。
コオロギやローチ類などの昆虫をメインに据えて、野菜や果物、昆虫ゼリーを補助的に与えます。
若い個体用のフトアゴヒゲトカゲフードを水でふやかして与えるのも良いです。
成長するにつれて草食強めの雑食性になっていきます。
最終的には植物質や人工飼料の割合を半分にすると完璧です。
人工飼料にはモンキーフードや成体用フトアゴヒゲトカゲフードを与えます。
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・カルシウム剤
カルシウムを与えないとクル病になります。
クル病は骨の形成がうまくされない病気であり、1回罹患すると治りませんし最悪の場合死に至る恐ろしい病です。
また、カニンガムイワトカゲはカルシウム要求量が高く尾や背が曲がりやすいのでしっかりとしたカルシウム剤の添加が必要です。
カルシウム剤にはカルシウムのほかにビタミンD3が含まれているのものもあり、含まれているものと含まれていないもの2つ用意する必要があります。
ビタミンはカルシウムの吸収を促す効果があります。
普段はビタミンが含まれていないものを餌に塗して与え、たまにビタミンが含まれているものを塗して与えてください。
※ビタミンの摂りすぎもクル病と似た症状が出る恐れがあるので注意が必要です。
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