クビワトカゲの飼育方法
①クビワトカゲの紹介と魅力
今回紹介するのは、首のバンド模様が特徴的なクビワトカゲです。
北米から中米の半砂漠地域に生息しています。
ですので基本的には乾燥系トカゲの飼育方法に準拠して飼育することになります。
他の乾燥系トカゲはそんなに立体活動は行わず、地表での行動を見せることが多いですが、このクビワトカゲは巧みな立体活動を行います。
飼育下でもその特性は健在で、岩や枝の上ををぴょんぴょんと機敏に走り回る姿などは見ていてとても面白いです
一方で気持ちよさそうにのんびり日光浴する姿も観察でき、そのギャップが非常に魅力的であると感じますね。
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-基本データ-
学名:Crotaphytus collaris 英名:Common collared lizard 分類:イグアナ科 クビワトカゲ亜科 クビワトカゲ属 分布:アメリカ合衆国中部~南部、メキシコ北部 全長:20~35㎝ 寿命:5~8年程度 価格:10000円前後
②飼育環境の作り方
飼育に必要なもの
- 飼育ケージ
- 保温器具
- 温度計
- バスキングライト(別途ソケット)
- 紫外線ライト(別途ソケット)
- 爬虫類用サーモスタット
- 床材
- 水容器
- エサ
- カルシウム剤
以下で一つ一つ説明していきます。
・飼育ケージ
60×45×30cm程度のケージが必要となります。
ケージには衣装ケース、熱帯魚用水槽、爬虫類用のガラス水槽を選択するのがオーソドックスです。
-衣装ケース-
安価で軽く掃除をしやすいという点が使用するメリットですが、中が見えづらく見た目が悪い、火事の危険性がある、若干の改造が必要という点がデメリットです。
衣装ケースは風通しが悪いのでケースにメッシュ部分を設けることが必要になってきます。
衣装ケースの上にバーベキュー用などの金網を乗せるのももちろんアリです。
また、衣装ケースの場合日々の管理は上から行うことになりますが、爬虫類は上から手を出されることを嫌いますので若干慣れづらくなる可能性があります。
-熱帯魚用ガラス水槽-
見た目がよく比較的安価である点がメリットです。
値段は衣装ケース、熱帯魚用ガラス水槽、爬虫類専用ガラス水槽の順で高くなっています。
重い、通気性のある金網などの通気性のある蓋が必要、衣装ケースの場合と同じように生体が嫌がる可能性があるのがデメリットです。
-爬虫類用ガラス水槽-
見た目がよく、風通しもよいですし、飼育器具の電源コードを通す穴があったりとメリットはたくさんです。デメリットは値段が高く、重いことでしょう。
わたしのおすすめは断然爬虫類用のガラス水槽ですね。
自分の好みやお財布と相談して決めてください。
・温度(保温器具、バスキングライト)
ケージ全体の基本温度を28~29℃程度に保温します。
砂漠の厳しい昼夜の寒暖差の再現のために夜間は温度を下げます。
20℃程度に下げられるとベストです。
散光型の保温ライトやセラミックヒーター、暖突などを用い保温するといいでしょう。
爬虫類用のサーモスタットを併用すると、温度の調整、昼夜の寒暖差調整やライトの点灯時間の調整を行えるので使用するのがベターです。
日光浴のためのバスキングスポットは38~40度に保温します。
バスキングライトを日中照射しましょう。
気持ちよさそうに日光浴する姿を観察できるはずです。
・紫外線
トカゲは紫外線を浴びることで、体長を整えたり、カルシウムの吸収を促進させたりします。
紫外線を浴びないと食欲がなくなったり、クル病という病気になってしまったりするので、必ずバスキングスポットやケージ全体に紫外線ライトを照射するようにしてください。
砂漠系のトカゲの例にもれず、クビワトカゲは紫外線要求量が非常に高いので出来るだけ紫外線が強いものを照射してください。
天気がいい日なら、外で短時間日光浴させるのも効果的です。
衣装ケースに金網を乗せ、ケース半分にすだれなどをかけ日陰を作り、その中に個体を入れて日光浴させます。
外で日光浴の際には脱走とオーバーヒートに必ず気を付けるようお願いします!!
紫外線ライトやバスキングライトの話はこちら↓
・おすすめの床材
砂漠系の砂や、乾燥した黒沼を使うといいでしょう。
ペットシーツでも飼育は可能です。
いずれにせよ乾燥系の素材を使用します。
・水容器
砂漠系のトカゲとて水を飲みます。
特にクビワトカゲは水をよく飲むトカゲですので水を飲まないと脱水症状を起こしてしまいます。
基本的にはタッパーなどに水を入れ水を飲ませますが、水容器を認識ないこともしばしばあります。
ですので水容器にドリッパーなどで水滴をたらしたり、毎日1回壁面に軽く霧吹きをかけたり、温浴させてその際に水を飲ませたりするようにしましょう。
霧吹きや温浴の際に水をよく飲むようなら、水容器を認識できていない証拠ですので水容器を工夫すべきです。
・エサ
コオロギやデュビア、ミルワームなどを与えます。
少量の野菜や果実、花なども食べるとされますがほとんど食べません。
食べる個体は非常にまれなので入手した個体がもし食べてくれたら、マジミラクルです。
コオロギやデュビアの管理方法はこちらをチェック↓
・カルシウム剤
カルシウムを与えないとクル病になる危険性が高まります。
クル病は骨の形成がうまくされない病気であり、1回罹患すると治りませんし最悪の場合死に至る恐ろしい病です。
カルシウム剤は基本的にエサに塗して使用します。
カルシウム剤にはカルシウムのほかにビタミンD3が含まれているのものもあり、含まれているものと含まれていないもの2種類用意する必要があります。
普段はビタミンが含まれていないものを餌に塗して与え、たまにビタミンが含まれているものを塗して与えてください。
ビタミンD3の与えすぎもクル病と同じ症状を引き起こすので気を付けるように!
③繁殖についてメモ
冬季に10~12℃程度の低温で8週間冬眠を行い、その後温度を上げると発情し交尾が促されます。
1回に6~8の卵を産み、1年間に1~2回卵を産みます。
卵は30℃程度でキープすると2か月程度で孵化するでしょう。
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