ハイナントカゲモドキの飼育方法
①ハイナントカゲモドキの紹介と魅力
今回紹介するのはあのトカゲモドキのグループのうちの一種、ハイナントカゲモドキです。
トカゲモドキのグループと言っても、人気種ヒョウモントカゲモドキなどとは飼育方法も性格も魅力も全然違います。
本種の魅力は、黒い体色と血のような紅色の目。
まるで悪魔のような姿をしていてとってもかっこいいです。
また、トカゲモドキ科の中のキョクトウトカゲモドキ属というグループに本種は属しているのですが、そのグループの中でもハイナントカゲモドキは飼育しやすいので非常に人気があります。
ちなみに、日本固有のクロイワトカゲモドキなどもキョクトウトカゲモドキ属に属していますが、彼らは天然記念物の為飼育することができません。
ですので彼らを飼ってみたいという方にも本種は非常におすすめです。
ヒョウモントカゲモドキなどと違って、性格が臆病なところや飼育難易度がやや上がる部分はあります。
ですが、そもそもヒョウモントカゲモドキの性格や飼育難易度が異常ですのでまったく飼育に対して臆する必要はありません。
むしろそういった面も魅力の一つだと私は思いますね。
彼らとは全然別物。というイメージで飼育をスタートすると失敗しないで済むと思います。
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-基本データ-
学名:Goniurosaurus hainanensis 英名:Hainan cave gecko 分類:トカゲモドキ科 キョクトウトカゲモドキ属 分布:中国(ハイナン島)、ベトナム(キャットバ島) 全長:16cm程度 寿命:10~15年前後 価格:6000~10000円前後
ハイナントカゲによく似たゴマバラトカゲモドキについての記事です↓
②飼育環境の作り方
飼育に必要なものです↓
- 飼育ケージ
- (遠赤外線ヒーター)
- 水容器
- 床材
- ウェットシェルター
- エサ
- カルシウム剤
以下で一つ一つ説明していきます。
・飼育ケージ
1匹であれば大サイズのケージで飼育が可能です。
ペアやトリオで飼育するのであれば、特大サイズプラケースや60㎝規格の水槽や爬虫類用ガラスス水槽で飼育するといいでしょう。
体の大きさに比べて、やや大きいケージのほうがおすすめです。
・温度(遠赤外線ヒーター)
日陰などに生息しているためかあまり高温の環境は好みません。
24~26℃程度が最適な温度です。
上限は28℃までですので、28℃以上になってしまう場合はエアコンで涼しくしたりケージを涼しい部屋に移すなどの対策が必要です。
逆に24℃より低温になる場合には、ケージ壁面に張り保温してあげてください。
もちろんこのときにもケージ全体が暑くなりすぎないように注意が必要です。
・湿度(水容器、床材)
ハイナントカゲモドキは乾燥した環境を好みません。
ですのでケージ内にはある程度の湿度を保つことが必要となります。
その方法ですが、具体的には湿度は床材、水容器、霧吹きを利用して湿度を保ちます。
床材は湿らせたヤシガラ土や腐葉土を厚めに敷いてあげるのがベストです。
水容器は常に新鮮な水が入ったものをケージ内に設置してあげてください。
水容器の水は湿度を保つと同時に飲み水になります。
ここまでセットしたら、定期的に霧吹きをして湿度を保ちましょう。
湿度を保つと言っても、通気性のない環境や水でひたひたな環境は絶対NGです!
・ウェットシェルター
ウェットシェルターとは素焼きでできたシェルターで上部に水をためることでシェルタ―内部の湿度が保たれるという優れものです。
乾燥してしまった場合の個体の避難場所や、普段の彼らの隠れ家として必要となります。
また、ウェットシェルターの他にもコルクバーグや流木などでケージ内をレイアウトしてあげると生体にとっても飼育者にとってもベターかと思います。
思ったより立体行動をするようですので、立体的なレイアウトを組むといいでしょう。
複数飼育する場合には、個体の数だけシェルターが必要になります。
・エサ
主にコオロギやデュビアなどを与えます。
デュビアはケージに放すとすぐに床材に潜ってしまって、食べられないことが多いと思うのでコオロギのほうがいいかと思います。
・カルシウム剤
カルシウムを与えないとクル病という病気なってしまいます。
クル病は骨の形成がうまくされない病気であり、1回罹患すると治りませんし最悪の場合死に至る恐ろしい病です。
カルシウム剤にはカルシウムのほかにビタミンD3が含まれているのものもあり、含まれているものと含まれていないもの2つ用意する必要があります。
普段はビタミンが含まれていないものをエサにまぶして与え、たまにビタミンが含まれているものをまぶして与えるようにしてください。
ビタミンD3の摂りすぎもクル病とよく似た症状を引き起こすことがあります。
③繁殖について
ハイナントカゲモドキはWC(野生採取)個体が多く、繁殖はあまり熱心にされていないようです。
ですので繁殖方法が不透明な部分も多いですのでご了承ください。
繁殖にはしっかりと育った雄雌を使用しましょう。
まず、ペアないしトリオで飼育している場合にはケージを別にして飼育をします。
冬に近づくにつれて少しずつ給仕の回数を減らし、やがて給仕回数を0にしたら15~20℃程度の低温にしクーリングを1~2カ月程度行います。
その後温度を上げ、雌雄を2~3週間同じケージで同居させます。
交尾が確認できたら速やかに雌雄を別にしてください。
交尾後数週間でメスの腹部に卵が確認できるはずです。
1シーズンに2~6クラッチするようです。
卵は26℃程度で保温すると55~80日程度孵化します。
産卵した後はメスに高栄養価のエサをたくさん与え体調をととのえてあげてください。
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