◆ヒガシウォータードラゴン◆
この記事の目次
①ヒガシウォータードラゴンの紹介と魅力
ウォータードラゴンって聞いて最初に頭に浮かぶトカゲって、やっぱりインドシナウォータードラゴンですよね。
安価ですし誰にでも分かりやすく美しいトカゲです。
不幸にもヒガシウォータードラゴンは彼らの影に隠れてしまうことが多いように感じます。
しかーし!
ヒガシウォータードラゴンにも、ヒガシウォータードラゴンだからこそ持つ魅力がたくさんあります。
モノトーンの容姿は渋くてかっこいいですし、成熟したオスの胸はオレンジに染まって美しいです。
また、インドシナウォータードラゴンより地表性が強く、より縦横無尽な動きが楽しめます。
それにインドシナほど水への依存度は高くなく、なおかつあまり湿度に気を遣わないで飼育できます。
おまけに、少し高価で☆高級感☆があります笑
インドシナウォータードラゴンとは全くの別物と考えて、興味を持ってもらえるといいと思います。
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-基本データ-
学名:Physignathus lesueurii
英名:eastern Water Dragon, australian Water Dragon
分類:アガマ科 ウォータードラゴン属
分布:オーストラリア
全長:70㎝程度、最大90㎝
寿命:12~20年程度
価格:30000~80000前後(個体の大きさや入荷状況により変動します)
生態の箇条書き
現地では非常に警戒心は強いですが、公園や庭園で普通にみられる。
捕食者に出会うと、植物が茂った場所に隠れたり、枝から水に落ちたりして逃げる。
泳ぐことが得意で、浅い小川や湖の底に90分まで潜っていられることが知られている。
天敵は鳥、ヘビ、ネコ、イヌやキツネなど。
肉食性が強い雑食で主に昆虫を捕食する。
時々、小さな齧歯類や植物性の物を食べることもある。
②飼育環境の作り方
適切な飼育環境をつくるのに必要なもの一覧
- 飼育ケージ
- 遠赤外線ヒーター
- バスキングライト
- 爬虫類用サーモスタット
- 紫外線ライト
- 床材
- 水容器
- 登り木
- エサ
- カルシウム剤
以下で一つ一つ説明していきます。
・飼育ケージ
小さいうちは個体のサイズに合わせた大きさの爬虫類用ガラス水槽を用います。
インドシナウォータードラゴンより樹上傾向は低いものの、高さがあるケージを選ぶようにしましょう。
最終的には最低でも90×45×60㎝以上の大きさのケージが必要となります。
このサイズまではグラステラリウム9060という市販の爬虫類用ガラス水槽が使用できます。
ただ、これより大きいケージとなると防水コンパネなどで自作するか特注で作ってもらう必要が出てきます。
もしくはガラス温室を使用するといいでしょう。
爬虫類用ガラス水槽を使用する場合は気にしなくてよいですが、ケージは通気性がいいものを使用するように注意してください。
・温度(遠赤外線ヒーター、バスキングライト)
基本温度は26~28℃、ホットスポットは35~40℃、夜間は22~25℃に設定します。
基本温度は、暖突や保温球で調節します。
温かい季節なら、ホットスポットの温度の影響で基本温度は気にしなくてもよくなります。
バスキングスポットには、バスキングライトを当て保温します。
個体がバスキングスポットから離れなない場合、温度が低かったり、保温できている範囲が狭い証拠です。
そういった場合には、バスキングライトのワット数を上げたり、ライトを近づけたりするなどして対策をとってください。
またバスキングライトやバスキングスポットは高温になるため、火事には十分注意しましょう。
基本温度の設定やバスキングライトの点灯、昼夜の温度差の調節には爬虫類用サーモスタットが便利です。
ぜひ使用してみてください。
・紫外線ライト
紫外線要求量は高めです。
紫外線量10.0のタイプの紫外線ライトを日中、バスキングスポットに照射してあげてください
バスキングや紫外線がよくわからない人はこちらをチェックしてみてください
床材
ペットシーツやキッチンペーパー、新聞紙、ヤシガラ土、バークチップなど基本的には何でもよい。
ただし、ケージ内には大きな水容器や登り木を入れることになるので、ヤシガラ土やバークチップを使用するほうが管理しやすいです。
・水容器
全身を入れることができる水容器をケージ内に設置してください。
使用する容器は大きめのタッパーや、虫かごなどなんでも大丈夫です。
生体が水に浸かって休むほか、水は飲み水にもなりますので毎日交換してあげてください。
・登り木
流木や丸太などをケージ内にうまく配置して、生体が登ることができるようにしてあげてください。
うまく登り木を配置すれば、生体が生き生きと登ったり降りたりする光景が観察できます。
・エサ
コオロギやデュビアなどをメインに、野菜や果実を補助として与えます。
人工飼料を食べる個体もいるようなので、与えてみるといいでしょう。
昆虫や野菜、人工飼料どれかに偏るのではなく、バランスよくどれも与えられるとベストです。
コオロギやデュビアの詳しい管理方法はこちらをチェック↓
・カルシウム剤
カルシウムを与えないとクル病になります。
クル病は骨の形成がうまくされない病気であり、1回罹患すると治りませんし最悪の場合死に至る恐ろしい病です。
カルシウム剤にはカルシウムのほかにビタミンD3が含まれているのものもあり、含まれているものと含まれていないもの2つ用意する必要があります。
ビタミンはカルシウムの吸収を促す効果があります。
普段はビタミンが含まれていないものを餌に塗して与え、たまにビタミンが含まれているものを塗して与えてください。
※ビタミンの摂りすぎもクル病と似た症状が出る恐れがあるので注意が必要です。
③繁殖について
繁殖は長い期間のクーリングが必要となるため、生体が死ぬ可能性もあります。
覚悟してから繁殖に臨んでください。
繁殖には少なくとも2〜3歳以上の良く育った健康的な個体を使用します。
現地の冬では、通常5℃~15℃の気温が数カ月間続くといいます。
飼育下でもそれをできるだけ再現し、秋から冬にかけて3カ月程度、日中のバスキングライト以外無加温で飼育しましょう。(バスキングスポットの温度も下げる)
この際、カルシウム剤やビタミン剤を混ぜた水だけを与えるようにし、エサは与えません。
この期間が過ぎたら、通常どおりの温度設定に戻しエサを与えます。
うまくいけば、発情が促され交尾が始まります。
交尾から約1~1ヶ月半後、メスは産卵しますのでケージ内に床材を厚く敷いた産卵スペースを用意してください。
1クラッチにつき4~13個の卵を産みます。
卵は28~29℃に保温すると、65~90日で孵化します。
<現地での本種の様子>
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