この記事の目次
➀ドロガメの紹介と魅力
ドロガメとは北米から南米にかけて生息する小型のミズガメの仲間です。
近縁にニオイガメ属やオオニオイガメ属、ハラガケガメ属などがありますがドロガメは全18種と最も多くの種数を誇ります。
ニオイガメとドロガメはセットで同時に語られることが多いですがニオイガメは非常に水棲傾向が強い一方で、ドロガメは陸上でのバスキングも積極的に行います。
腹甲にも違いが大きく見られ、ニオイガメの腹甲は肉の部分が多く、ドロガメでは甲の部分が大きくなっています。
ドロガメはより陸上での活動にも適した体になっているのです。
さて、そんな彼らの魅力とは。
地味でかわいいことがまず第一に挙げられるでしょう。
ある程度詳しい人でも種の判別が難しいドロガメは本当に地味。
しかし、地味ながらもいや地味であるがゆえに、その愛らしい顔つきが非常に際立つのです。
また、ドロガメの仲間はどれもそう大きくならず、かつ丈夫、飼育は容易と飼育しやすいカメの要素をすべて持ち合わせているのです。
ニオイガメなども同じような条件を満たしていますが、ドロガメはバスキングしている姿を見せてくれるという点で差別化できているといえます。
ドロガメの仲間は全18種。(亜種も含めればもっといます)
気に入ったドロガメをコレクションするのも楽しいと思います。
ミズガメ入門種としても、コレクションできる種としてもおすすめできますね。
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➁ドロガメ11種類紹介/価格は?大きさは?
1.シロクチドロガメ
写真:Mark Spangler氏による”White-Lipped Mud Turtle (Kinosternon leucostomum)“CC BY2.0に基づく
学名:Kinosternon leucostomum
英名:White-lipped mud turtle
甲長:15cm程度 最大17.4cm
価格:15000円前後~
特徴
ドロガメの中でもポピュラーな種。
その名の通り、白くなり非常に美しい。
流通量は多く、CBだけでなくワイルドの個体も流通する。
2.ミスジドロガメ
写真:Florida Fish and Wildlife氏による”Striped mud turtle“CC BY-ND2.0に基づく
学名:Kinosternom baurii
英名:Striped mud turtle
甲長:10cm程度 最大13.8cm
価格:10000円程度~
特徴
ドロガメは北米原産は地味、南米に近づくほど美しい種が多くなると言われています。
しかし、このミスジドロガメは北米原産ながら美しい。
その名の通り、甲に三本のラインが入ります。
人気は高く、流通量は多い。
3.ホオアカドロガメ
写真:Zippo Zimmermann氏による”Our mud turtle (kinosternon cruentatum)”CC BY-SA2.0に基づく
学名:Kinosternon cruentatum
英名:Red-cheeked mud turtle
甲長:最大15cm
価格:15000円程度~
特徴
甲がドーム型。
全体が赤くなる個体がおり、そういった個体は非常に美しいです。
流通量はやや少なめ。ワイルドの入荷はほぼありません。
4.サソリドロガメ
写真:Pavel Kirillov氏による”Scorpion Mud Turtle (Kinosternon scorpioides)?“CC BY-SA2.0に基づく
学名:Kinosternon scorpioides
英名:Scorpion mud turtle
甲長:最大甲長27㎝
価格:10000円程度~
特徴
別名、コガネドロガメ。
ドロガメ属のなかで最大の大きさ。
甲にある3本のキールが成長とともに明瞭になりかっこいい。
オスの成体の尾の先端に大きなうろこがあり、それがサソリの尾のようであるからこの名前があります。
ただ、この特徴は本種特有の特徴ではありません。
5.ザラアシドロガメ
学名:Kinosternon hirtipes
英名:Mexican rough-footed mud turtle
甲長:14cm程度 最大甲長18.5cm
価格:15000円程度~
特徴
別名、ゴツアシドロガメ。
いかにも足がザラザラとしていそうな名前ですが、明確にそういった特徴があるわけではありません。
甲は比較的扁平で、泳ぎはうまいです。
6.トウブドロガメ
写真:Judy Gallagher氏による”Eastern Mud Turtle – Kinosternon subrubrum subrubrum – Bombay Hook National Wildlife Refuge, Smyrna, Delaware“CC BY2.0に基づく
学名:Kinosternon subrubrum
英名:Common mud turtle, Eastern mud turtle
甲長:最大甲長12.5cm
価格:8000円程度~
特徴
ドロガメの中でも小型種。メスよりもオスのほうが大きくなる。
ペンシルバニア、フロリダ、ミシシッピの3亜種が知られているものの判別はほぼ不可能です。
ただ、多く流通するのはミシシッピのようです。
※ちなみに写真はフロリダドロガメです。
7.ワーハーカードロガメ
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学名:Kinosternon oaxacae
英名:Oaxaca mud turtle
甲長:最大甲長17.5cm
価格:40000円程度から
特徴
別名、オアハカドロガメ。
メキシコ、オアハカ州に生息していることからこの名がついています。
流通する数は少なめ。
性質は比較的荒い。
8.アリゾナドロガメ
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学名:Kinosternon arizonense
英名:Arizona mud turtle
甲長:最大甲長18.1cm
価格:不明
特徴
のど元が黄色くなること以外は9.キイロドロガメによく似ています。
入荷は非常に少なく、ドロガメ界のレア種。
9.キイロドロガメ
写真:Nick Varvel氏による”Yellow Mud Turtle“CC BY2.0に基づく
学名:Kinosternon flavescens
英名:Yellow mud turtle
甲長:最大甲長16.8cm
価格:25000円程度~
特徴
扁平でいて丸く模様はない黄色い甲が美しいです。
かつては4亜種に分けられていましたが、現在ではリオグランデキイロドロガメとスプーンキイロドロガメの2亜種にされています。
性質は比較的荒い。
10.サラドロガメ
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学名:Kinosternon integrum
英名:Mexican mud turtle
甲長:最大甲長20.2cm
価格:40000円程度~
特徴
ハコガメの仲間のように腹甲を折り曲げると背甲と腹甲の間に隙間がほとんどなくなり、完全に閉じることができる。
流通は少ない。
11.ハナナガドロガメ
学名:Kinosternon acutum
英名:Tabasco mud turtle
甲長:最大甲長12cm
価格:20000円程度~
特徴
ドロガメの中でも小型種。
頭部や手足に赤褐色や黄褐色、灰褐色の虫食い模様が入り美しいです。
流通は少なめ。
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➂基本的な飼育環境の作り方
飼育に必要なものは以下の通りです。
- 水槽
- 保温器具
- 紫外線ライト
- 床材
- 陸場
- (カルキ抜き)
- フィルター
- エサ
一つ一つ説明していきます。
・水槽
サソリドロガメなどの大型ドロガメ以外は、60cm標準水槽で十分飼育が可能です。
ただ、購入してきて最初から水深のある環境に入れると溺れてしまうことがあります。
はじめのうちは、甲羅の厚みと同程度の水深にしてやり徐々に水深を上げるようにしましょう。
・保温器具
最適な水温は26℃程度です。
火傷防止用のカバーのつけられる水中ヒーターを用いて保温してあげてください。
また、陸地にもバスキングライトを照射して温めてあげる必要があります。
そう熱くなるものでもなくてもよいので、よさそうなものを見繕ってあげてください。
ジェックス エキゾテラ スワンプグロー 防滴ランプ 50W 水棲動物・高湿度テラリウム用
・紫外線ライト
ドロガメにはそれほど紫外線の効果を感じられません。
ただ、バスキングを行う以上多少なりとも効果はあるはずですので、紫外線を含むランプを照射してあげてください。
ジェックス エキゾテラ レプタイルUVB100 26W 熱帯・亜熱帯 爬虫類用 紫外線ライト
・床材
床材を敷くとカメが落ち着いたり、水質が安定するなどの効果は期待できます。
しかし、汚れが溜まってしまい不衛生な環境になってしまうことが多々あるので床材は敷かずに飼育するほうが無難でしょう。
まめな掃除ができるかたのみ床材を敷くように。
・陸場
カメの浮島や流木、レンガなどを使用してバスキングの行える陸場を作ってあげます。
陸場までは流木で登りやすくして挙げられると理想的ですね。
・カルキ抜き
爬虫類の飼育において水道水を用いる場合カルキ(水道水に含まれる有害な物質)抜きは必要ないと言われがちです。
実際、水道水をそのまま使っても生体に問題はないようです。
ただ、水槽やフィルター内のバクテリア(水質浄化を行う)には水道水は厳禁ですので、気になる方のみカルキ抜きをしましょう。
・フィルター
カメはよく水を汚します。
熱帯魚用のフィルターを利用して水質浄化をしましょう。
ただ、フィルターを使用してもどんどん水は汚れていきますので週1,2回はしっかりと水替えを行ってあげましょう。
・エサ
カメ用の人工飼料を与えます。
この仲間には浮上性のエサよりは沈下性のエサの方が食べやすいです。
沈下性のエサを選びましょう。
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