この記事の目次
1.爬虫類って簡単に言えばどんな生物?
爬虫類とは、トカゲやヤモリ、ワニ、ヘビ、カメなどを含むグループを指します。
脊椎動物(背骨がある哺乳類、鳥類、哺乳類、魚類など)の仲間。
『虫』と名前に入ってはいますが、カブトムシなどの虫とは全く違う生き物です。
また、爬虫類は変温動物で自分で体温を調節できず、日光を浴びたりして体温を高めることで活動をします。反対に人間をはじめとする哺乳類や鳥類は恒温動物で自分で体温を調節することができます。
変温動物は体温の調節にエネルギーを使う必要がないので、 恒温動物に比べて飲まず食わずに強かったりします。
☑ポイント
・爬虫類はトカゲ、ヘビ、ヤモリ、ワニ、カメなど
・虫とは違う
・変温動物
・絶食に強い
2.爬虫類の進化の歴史
爬虫類の始まりは、約3億年前までさかのぼります。
彼らの進化について追ってみましょう。
2.1進化の過程
古生代(5億4千年前~2億5千年前)と呼ばれる時代、今から三億年前にイクチオステガという生物から両生類(カエルやイモリなど)と別れて爬虫類として進化しました。
中生代(2億5千年前~6500万年前)には、ティラノサウルスといった恐竜、プテラノドンなどの翼竜などが大繁栄しました。
その後には新生代(約6500年前~現在)が続き、鳥類の時代が始まります。
鳥類は恐竜の子孫であるという学説が現在では有力でして、爬虫類の中に鳥類を含めるという見方も強いです。
隕石の衝突で恐竜や翼竜は絶滅してしまいましたが、鳥類や爬虫類は生き延び今も繁栄を続けているのです。
爬虫類は地球上で一番成功してきた生き物と言っても過言ではないかもしれません。
2.2恐竜との違い
恐竜と爬虫類の最大の違いは、足の付き方です。
恐竜はより直立歩行に適した足をしていますが、爬虫類は膝が曲がっています。
以下の写真を見るとわかりやすいかと思います。
上の画像のティラノサウルスは足と膝を下に伸ばしていますが、下の写真のワニは膝を曲げて足を外に広げています。
ティラノサウルスは二本の足を使って体重を支え歩きますが、ワニは体全体で体重を支え地面を這って移動します。
移動の仕方が全く異なっているのです。
博物館に行く機会があったらぜひ恐竜と爬虫類の骨格を見比べてみてください。
その違いは一目瞭然です。
2.3爬虫類と両生類と特徴の違い
爬虫類とよく比較されるのが両生類です。
両生類はカエルやイモリ、サンショウウオのことを指します。
両生類の最大の特徴は、皮膚に鱗や毛がなくて露出していることです。
皮膚の表面は湿っていて、水分が勝手に出たり入った入りします。
よって、乾燥した場所では水分がとられて体が渇いて死んでしまいます。
また、卵にも殻がないので基本的に水中に産卵して、生まれた子供はまず水中で生活を送ります。
その後、成長して大人の姿になります。オタマジャクシがカエルになるやつです。
一方で爬虫類は皮膚は鱗に覆われていて水分は抜けていきません。
また、卵にも殻があって陸上の生活に非常に適した進化を遂げています。
3.爬虫類の分類について
爬虫類は
・有隣目
・ワニ目
・カメ目
・ムカシトカゲ目
の4つに大別されます。
特に有隣目はトカゲ亜目、ヘビ亜目、ミミズトカゲ亜目というように3つに分けられます。
ちょっと難しいので、そういうもんなんだ。トカゲとヘビって近い仲間なんだなーっていうふうにフワッと捉えてください。
まとめると
トカゲという大きなくくりの中にヤモリやイグアナ、オオトカゲなんかがいる感じですね。
ペットとして人気のヒョウモントカゲモドキはヤモリ下目のさらにトカゲモドキ科に分類されたりと、この画像以上にもっと細かく分類することはできます。
ただ、今回は割愛します。もっと気になる方はそれぞれ調べたいところを調べてみてください。
4.トカゲとヘビの違い
トカゲとヘビの違いってなんだか分かりますか?
足があるかないか?
それも一つの正解ですが、足がないトカゲもいます。
他の違いもいくつか紹介しましょう。
・目を閉じられるかどうか
一部の種を除き、トカゲには瞼があって目を閉じることができます。
一方でヘビには瞼はなく、代わりに目が透明な鱗に覆われていて閉じることができません。
・耳があるかどうか
耳、正確には外耳と呼ばれる穴がトカゲの頭にはありますが、ヘビにはそれがありません。ヘビは耳で音を聞くことはできません。
じゃあどうするのか?
内耳と呼ばれる器官があって、それを使って皮膚に当たる振動を聞くことで音を認識するのです。
なんだか不思議ですね。
・尾が切れるかどうか
多くのトカゲは自分で尾を切ることができます。
幼いころに庭のトカゲを捕まえようとして、尾を切って逃げられた経験を持つ人は多いのではないでしょうか?
ヘビに尾は切れません。
5.カメの特徴や進化・苦労
カメの祖先はどんな生き物なのか?
そしてカメが地球上にいつ現れたかはいまだ明らかではありません。
分かっていることは2億5千万年前に原始のカメがいたこと。あと、カメとワニは近い仲間だということです。
カメの最大の特徴は甲羅。
足がないトカゲはいるし、足の名残がちょっとあるヘビはいる。
しかし、甲羅がないカメは世界中のどこにもいません。
冷静に考えて甲羅はカメにとってかなり不便なもののように思える。
というのも、甲羅があるため、前足を使う場合は、肩甲骨をいちいち助骨の中へしまう必要があるからです。
甲羅のせいで呼吸も特殊なやりかたをしています。
甲羅が邪魔して胸をふくらますことができないので、空気を吸う場合には内臓を動かさなければいけません。
苦労の多いデメリットを補って余りあるほど甲羅を持つメリットはでかいのでしょうね。
甲羅すごい!
6.英語で爬虫類は?
爬虫類→reptiles(レプタイルズ)といいます。
『秘密のレプタイルズ』という爬虫類ショップを舞台とした大人気ラブコメ漫画がありますが、直訳したら『秘密の爬虫類』って意味です。
爬虫類の不思議でアンダーグラウンドなイメージが揶揄されててとってもいいタイトルだなと思います。
7.爬虫類がたくさん見られる動物園
動物園に行くと爬虫類館があったりして、たくさん爬虫類をみることができるところがあります。
動物園の展示の魅せ方や飼育環境は、自宅で飼育する上でもかなり参考になる部分があるので、爬虫類を飼ってる人も行くべきですね。
いくつか紹介しましょう。
7.1 izoo
爬虫類が見れる動物園と言えばココですね。
爬虫類好きは全員死ぬ前に一度は行くべき。
幻のカメ、ガラパゴスゾウガメ。世界最大のヘビ、アミメニシキヘビ。最強と名高い毒蛇、ブラックマンバ。ここでは紹介しきれません。
どれをとっても価値が高すぎる爬虫類たちがズラリと並んでいて、まさに爬虫類好きの天国です。
展示の様子は、飼育の参考にもなること間違いなしです!
公式HP: http://izoo.co.jp/cando/pg129.html
基本料金:大人2000円 小学生800円 幼児無料
7.2 上野動物園
上野動物園といえば、パンダを思い浮かべてしまう人が多いと思います。
しかし、爬虫類好きにとっての真の見どころは20年もの歴史を持つ両生爬虫類館。
超巨大なイリエワニ、ワニガメ、オオサンショウウオ、ガラパゴスゾウガメが見どころでしょうか。
また、館内は空調が効いてるので暑すぎる日や寒すぎる日に逃げ込むと最適笑
都内在住であれば、アクセスしやすい上野にここまでのクオリティの爬虫類館があって見ないのはマジで損!必見です。
東京に観光に来ることがあれば、ぜひ上野動物園に来てみてはいかが?
公式HP: https://www.tokyo-zoo.net/zoo/ueno/
料金:小学校6年生まで無料、都内在住・在学の中学生まで無料
一般600円、65歳以上300円、中学生200円
7.3 広島市安佐動物園
あまりなじみのない方も多いかもしれませんが、この動物園にも爬虫類館があります。
リクガメに特に力を入れているようで、ホウシャガメやアルダブラゾウガメをはじめとしたたくさんのリクガメがいます。
リクガメ以外にも、アルマジロトカゲやビルマニシキヘビ、ヒガシアオジタトカゲ、ニシアフリカコガタワニ、オオサンショウウオなどなど珍しい爬虫類がてんこもりです。
広島の動物大好きな友人もよくおすすめしてます。
公式HP: http://www.asazoo.jp/
料金:大人610円、65歳以上170円、18歳未満170円、中学生以下無料
7.4 熱川バナナワニ園
静岡にある爬虫類動物園はizooだけではありません。
熱川バナナワニ園はその名の通り、ワニにかなり力を入れている動物園です。
ワニの種類は驚愕の16種。
そして、なんとおよそ140頭ものワニの飼育・展示を行っています。
実物のアダルトサイズのワニをここまでたくさん見ることができる機会なんてなかなかないので、一度は絶対行く価値があります!!
ワニ以外にもレッサーパンダやアマゾンマナティー、オオサンショウウオ、フラミンゴなんかもいます!
アマゾンマナティーが見れるのは日本では唯一ここだけなんだとか。WOW!
また、園内には、8エリアから成る熱帯系の植物園もあって、無限に楽しめます。
最高of最高。せっかく伊豆に来てもスルーしてしまいがちですが、ぜひ行きましょう。
公式HP: http://bananawani.jp/
料金:大人1800円、子供900円、4歳未満無料
7.5 ジャパンスネークセンター
ヘビと言えばここ。日本で唯一のヘビ専門の研究・展示施設です。
有名な毒蛇、キングコブラやガラガラヘビ、ハブ。
また、インドニシキヘビやオオアナコンダ、キイロアナコンダなどの大蛇。
ヘビ好きにはたまらない蛇たちが目白押しです。
世界最強の呼び声があるブラックマンバまで展示されています。
また、ヘビの展示以外にも、ヘビ資料館やグッズの販売、ハブの採毒実演なども行われてます。
ヘビが好きなら人生で一度は行きましょう。
公式HP: https://www.snake-center.com/
料金:中学生以上1000円、小学生以下500円、4歳未満無料
7.6 大阪市天王寺動物園
天王寺動物園には爬虫類生態館「アイファー」
ここでは様々な爬虫類を見ることができます。
ヒョウモントカゲモドキやオオアオジタトカゲ、フトアゴヒゲトカゲなどのポピュラー種からホウシャガメ、ヨウスコウワニなど珍しい種まで様々な爬虫類がいます。
大阪在住、もしくは大阪に行く機会があるならぜひ行くべきですね。
ちなみに、天王寺動物園にはキリンやライオンなどもいますがそれは爬虫類好きには関係のない話ですね笑
公式HP: https://www.city.osaka.lg.jp/contents/wdu170/tennojizoo/
料金:大人500円、小中学生200円、未就学児無料
8.爬虫類ブームと爬虫類カフェ
ここ数年、明らかに爬虫類を飼い始める人が急増しているように感じます。
各種メディアでも頻繁に取り上げられていますし、爬虫類youtuberなんて方々もいます。
爬虫類ブーム完全に来ちゃってますね。
私の周りでも飼い始める人が多いです。私が爬虫類を飼うように勧めた結果、飼い始めた友人が3人もいます。
そんな爬虫類をフワッと楽しむことができるが”爬虫類カフェ”という店です。
昨今、猫カフェや犬カフェ、ウサギカフェ、フクロウカフェなんかがかなり人気を博しており、爬虫類ブームとの相乗効果を狙って爬虫類カフェが増えてきています。
爬虫類カフェの内容は、店ごとに微妙な違いはあれど、制限時間が決まっており、飲み物を頼んで爬虫類を見たり触れたりできるという感じですね。
爬虫類をゆっくり見ながら落ち着くことができるので、生き物好きカップルのためのデートスポットとしてもいいですね。
ちなみに私は、友達と男二人で行きました。グスン。
9.爬虫類の野生個体数の減少
先日私はこんなツイートをしました。
爬虫類の野生個体の輸入数は年々減少している
一方で明らかに需要は増加しています
こうした状況が続いてもこの趣味が続けられるよう、繁殖を積極的にしていきたいですね。
今流通している爬虫類は約600種類と言われています。
その全てをCB、欲を言えば国内CBにできるといい。
私も繁殖頑張ってます— すのはら じん|Herp-about.com (@ComHerp) October 23, 2019
爬虫類ブームが来てはいますが、そのブームにより懸念されるのがペット目的の乱獲や様々な環境問題による野生個体数の減少です。
流通する多くの爬虫類は野生にいるものを採取した、通称”WC”の個体です。
繁殖したものだけが出回るものもいますが、その種数はそう多くありません。
爬虫類趣味は、自然からの略奪で成り立っているのです。
また、昨今の地球温暖化や様々な異常気象、外来種問題などで爬虫類は数を減らしてしまっています。
地球温暖化が進めば、2080年までにトカゲの仲間が現在の20%減少するという試算も出ています。恐ろしい数値です。
2080年というのは遠い話のように感じますが、私たちの子供や孫の世代まで魅力的なトカゲたち、ひいては爬虫類をすべて受け継ぐことができないというのは非常に悲しいことです。
爬虫類の減少を止めることはかなり難しいとは思いますが、できる限りの対策として、爬虫類を飼育する場合はCB(飼育下繁殖個体)を飼育するようにし、WC(野生化採取個体)を飼育する場合はできる限り繁殖を目指すように心がけていきたいところですね。
10.ペットにおすすめの爬虫類
これまで解説してきた爬虫類ですが、ペットにお勧めの爬虫類をいくつか紹介したいと思います。
今回紹介する爬虫類はどれも、ほぼCBのみの流通で入手しやすく、飼育に関する情報も得やすいで初めての飼育でも安心。
それでは見ていきましょう。
10.1ヒョウモントカゲモドキ
通称レオパ。ペット爬虫類界の大スターです。
まずめちゃくちゃかわいいですし、よく人慣れし、丈夫で飼育方法も簡単と初めての爬虫類の飼育に最適と言えます。
また、上の画像のような色彩のものを基本とし、様々な品種のレオパがいるので自分好みの子を選ぶこともできます。
ちなみに上の写真のようなレオパを”ハイイエロー”と呼び、他にも体の色素がない”アルビノ”や全身真っ黒の”ブラックパール”、オレンジの色味が強い”ハイポタンジェリン”、白目がない”エクリプス”などなど様々なものがいますので、選ぶのがとっても楽しいです。
正確な数は分かりませんが、品種数は数百種類以上だといわれています。
レオパすごいぜ!
値段:3000円~
大きさ:20~25㎝程度
10.2 フトアゴヒゲトカゲ
レオパと人気を二分する大スター、フトアゴヒゲトカゲです。
オーストラリア原産の昼行性のトカゲで、50cm程度の大きさになるのでそれなりに必要な飼育器具が増えます。
ただ、フトアゴヒゲトカゲも非常に愛らしく、人慣れし、また極めて丈夫なので飼育難易度はかなり低めです。
日光浴の仕組みやエサについて少し学ぶ必要がありますが、準備をしっかりして飼育を始めれば良きパートナーになることでしょう。
値段:5000円程度~
大きさ:50㎝前後
10.3 ボールパイソン
恐らくヘビの中で最も人気の種です。
パイソンとはニシキヘビを指します。毒はありません。
ニシキヘビというと非常に大きくなって恐ろしいイメージですが、よく人慣れしますし、全長100~150㎝程度と、とても飼いやすいです。
偏見をなくしてペットショップで見てみてください。とっても魅力的なことがわかるでしょう。
また、ボールパイソンもレオパ同様、様々な色彩を持つ品種があって選ぶ楽しさがあります。
値段:3000円~
大きさ:100~150㎝程度
10.4 コーンスネーク
ボールパイソンとペットとしてのヘビの人気を二分しています。
ボールパイソン同様、毒はありません。
ボールパイソンと比べると細身で日本のアオダイショウなんかと似たような体型をしています。実際、日本語名はアカダイショウですしね。
初心者向けですので、やはり非常に丈夫で飼育も容易です。
ボールパイソンより小さなケージでも飼育できるので、ヘビを飼いたいけど省スペースで飼いたい人におすすめかもしれません。
コーンスネークも様々な色彩の品種がいるので、自分好みの子を選びたいですね。
値段:3000円程度
大きさ:120~150㎝程度