バイパーボア
ショップで見かけたけど、
バイパーボアって何?
飼育方法は?
こういった疑問を解決します。
現在の私は爬虫類飼育歴8年ほど。
爬虫類の研究と動物園の飼育員やってます。
バイパーボアは非常にかっこいいので、詳しく紹介しちゃいます。
➀バイパーボアの紹介と魅力
バイパーボアはパプアニューギニア、イリアンジャヤ、インドネシアなど主にオセアニアに生息するヘビの仲間です。
ボアの仲間は南北アメリカに基本的には生息していますが、ナンヨウボア属に属するバイパーボアは例外的にオセアニアに生息しています。
なんとも不思議。
バイパーボアは見た目が毒蛇によく似ていて非常にかっこいいですね。
実際、現地にはNeuguinea-Todesotter (Acanthophis laevis)というバイパーボアにそっくりな毒蛇が生息しています。
人を死に至らしめることはまれのようですが、それなりに強い神経毒を持っているようです。
バイパーボアは強力な毒蛇に擬態することで生き延びる生存戦略をとっているんですね。
面白い!
〈↓Neuguinea-Todesotter (Acanthophis laevis)↓〉
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バイパーボアは、個体によって黒、茶色、黄褐色、オレンジ色、赤色と様々な色をしておりかっこよさだけでなく、美しさも持ち合わせています。
また、バイパーボアはひたすら待ちに待ち続ける、待ち伏せ型の捕食者。
沼地などに潜み、目の前を通るカエルを中心にトカゲや小型哺乳類・鳥類を捕食します。
そんなわけで、個体によってはカエルしか食べないなんてこともあります。
購入の際は、しっかりとマウスやラットに餌付くか確認してからにしましょう。
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基本データ/大きさ 販売価格など
学名:Candoia aspera
英名:Viper boa
分類:ボア科 ナンヨウボア属
分布:パプアニューギニア、イリヤンジャヤ、インドネシアなど
全長:40~60㎝程度、最大100㎝と言われている
価格:20000円程度~
➁ハンドリングはできる?
結論から言うと難しいです。
気性が荒い個体が多く、人を見たり、ケージに手を入れただけで噛みついてくる個体がほとんどです。
なにも抵抗せず、手で持っても噛んでこない個体もいることにはいますが、まれ。
基本的にはハンドリングに不向きなヘビと言えます。
見て楽しむだけに留めておきましょう。
➂飼育環境の作り方
飼育に必要なものです
- 飼育ケージ
- 保温器具
- 床材
- 水容器
- エサ
一つ一つ説明していきますね。
・飼育ケージ
必要なケージサイズ:底面積50×30㎝以上
太いため、それなりに迫力のあるヘビですがあまり動かないので大きなケージは必要ありません。
特大サイズのプラケースがあれば終生飼育が可能です。
高湿度の環境を好みますので、ケージには湿度を保つ工夫ができると理想的です。
ケースとフタの間に穴を開けたビニールを噛ませたり、穴を開けた衣装ケースなどで飼育するといった飼い方もいいでしょう。
飼育容器 スーパー特大 クリア(幅50×奥行き36×高さ30cm)
・保温器具
理想的な温度:高温部30℃、低温部27℃
基本的には1年を通じてパネルヒーター1枚あれば事足ります。
ケージの1/2~1/3にパネルヒーターを敷いて保温してあげましょう。
保温が足りない場合は、別途で暖突を設置したりしてあげてください。
・床材
湿った環境を好むことから、床材選びにも気を使ってあげる必要があります。
湿らせた水苔やヤシガラ土、腐葉土を床材にします。
高湿度の環境で飼育するとどうしてもカビが生えてしまうことがあるので、こまめにチェックしてカビが生えているようなら床材を交換してあげましょう。
また、乾燥した環境だと体調を崩します。
世話をさぼって乾燥させることのないようにしましょう。
・水容器
彼らは一日のほとんどを水の中に潜んで過ごしています。
下手したら数日間水からでないなんてこともあります。
体が余裕を持って入るタッパーなどに水を入れて設置してあげましょう。
・エサ
エサはマウスやラットを与えます。
成体のマウスよりファジーラットを好むという報告がなされていますので、ご参考にしてください。
バイパーボアはほとんど動かずじっとしているヘビですので、代謝が極めて遅いです。
ゆえに、給仕回数もかなり少なくて済みます。
3~4週間に1回程度でOKです。
これでやせていくようなら給仕回数を増やしましょう。
エサを食べず目に見えて痩せていくようなら、大好きなカエルを与えるか、カエルの匂いをつけたラットを与えてみてください。
それでも食べずどんどん痩せていくようなら、寄生虫がついている可能性があるので獣医に相談しましょう。
バイパーボアは野生採取個体(WC)しかほとんど流通しないので有害な寄生虫を持っている可能性が結構高いです。
➃繁殖方法メモ
・クーリング
➡繁殖の前に6~8週間クーリングを行う。
温度は日中26℃、夜間15~20℃程度に下げます。
・交尾
➡オス複数、メス1匹の方が交尾をうまくいきます。
オスはメスを奪うために、攻撃はしませんが体を使って他のオスを押しのけたりするようです。
・卵胎生
➡ほかのボア同様に卵胎生であるため、卵ではなく子供を産みます。
通常5~20匹の子供を産むようです。
・幼体の世話
➡成体よりもたくさん給仕しなければいけません。
1~2週間に1回はエサを与えましょう。