①はじめに
爬虫類、特にトカゲやカメの飼育の仕方を調べると必ずといっていいほど
出てくるワード「日光浴」。
日光浴をさせなければならないと色々な飼育書やサイトに書かれてるけど、
いまいちどうしたらいいか分からない。
なぜしないといけないのかわからない。
どういうことやねん。
って思う方は少なくないと思います。
実は日光欲って爬虫類の4大欲求。
食欲
性欲
睡眠欲
日光欲
って言われるくらいめちゃめちゃ重要なんです。(私が作った言葉です笑)
ただ、夜行性の爬虫類やヘビの飼育には基本的にはそこまで影響する話ではないので気にしないでください。
ということで今回は爬虫類、特に昼行性のトカゲやカメが日光浴する理由と日光浴のさせ方を
詳しくかつできるだけわかりや~すく紹介したいと思います。
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②爬虫類が日光浴する3つの理由
1.体温上昇
早速ですが皆さんは爬虫類が変温動物であるということを知っているでしょうか?
変温動物というのは周りの温度に応じて自分の体温が変化する動物のことを指します。
ちなみに人間をはじめとする哺乳類や鳥類は恒温動物、つまり体温が周りの温度に
左右されない動物です。
爬虫類は変温動物であるため、自分で体温を上げることができません。
体温があげられないと体の代謝能力が下がり動き回ることや消化が難しくなります。
そういうわけで彼らは日光浴を行い、体温を上昇させる必要があるのです。
かのガラパゴス諸島に生息するウミイグアナは、海藻が主食であるため海に入らなければならず、一日中日光浴をしては海に入って、日光浴をしては海に入ってを繰り返すと言います。
体温上昇は彼ら爬虫類の健康的な活動に不可欠なのです。
2.紫外線
日光浴する理由は体温上昇の為だけではありません!
日光が含んでいる紫外線も彼らの体に重要な効果をもたらします。
太陽光の中に約0.5%含まれているUVBという紫外線が爬虫類が自力で作れないビタミンD3の合成に利用されます。
ビタミンD3はカルシウムの吸収に必須の栄養素ですので紫外線を浴びないと、うまく成長できません。
また、紫外線にはUVAというものも含まれており脱皮を促進させる効果もあります。
これら以外にもUVAとUVBには皮膚の病気の予防する効果などもあり紫外線は爬虫類にとってヒジョーに重要なのです!!
ちなみに一般的に昼行性で日光浴を好む爬虫類ほど紫外線要求量が高く、夜行性の爬虫類では要求量が低い傾向にあります。
自然下では夜行性の爬虫類でもエサからビタミンD3を吸収したり、夜間に少量降り注ぐ紫外線などで成長します。
3.明るさ
あまり重要視されないポイントなのですが、太陽光の明るさも食欲や生活リズムを整える効果をもたらします。
人間の食事でも、照明一つ変えるだけでダイニングの雰囲気がガラッと変わって料理がおいしそうに見えたりしますよね。
レストランなどでは照明を利用してうまく料理をおいしそうに見えさせてるでしょうし、料理の写真を撮る人はできるだけ照度にこだわっておいしそうな写真を撮るでしょう。
と同様に爬虫類でも明るさで食欲が増減します。
これは草食性や雑食性の種類で特に顕著にみられ、それらの爬虫類を飼育する場合は少しこだわったほうがいいです。
③飼育下での日光浴
ここで最初に残念なお知らせがあります。。。
人間の使用する器具では、照度や紫外線量で太陽の力に遠く及ばないためサプリメントや場合によっては定期的な外での日光浴が必要になります。
そういうわけで飼育下で日光浴とある程度おなじ効果を得るには大きく分けて3つのステップを踏む必要があります。
- バスキングライトと紫外線ライト
- サプリメント
- (外での日光浴)
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1.バスキングライトと紫外線ライト
-バスキングライト-
バスキングライトは温度を高める効果がありケージの一ヵ所、個体に日光浴させたい場所(ホットスポット)に照射します。
ライトには広範囲にバランスよく照射する散光型と一ヵ所に重点的に照射する集光型があったり、防水加工されているものがあったりと様々な種類があります。
また、ケージのサイズや温度要求量、個体のサイズによってワット数を変える必要もあるため飼育者の力が要求されます。
このサイズのケージにはこのライトを!、この種類にはこれを!この地域のこの季節にはこれを!と正確でわかりやすい情報をこの記事に書きたいところですが、申し訳ないことにそれはとっても難しいです。
あくまで目安ですが、ワット数に関しては基本的に60×30×36㎝程度のケージであれば50~75wで、60×45×45cm以上のケージであれば100w程度。
それより大きいケージでは150wのライトを、もしくはライトの複数設置をするといいでしょう。
あとはライトの設置する高さや角度を調節してうまく温度を整えてください。
また、ホットスポットだけが温かくてほかの場所はすごく寒かったり(種類によってはそれでも大丈夫なこともある)、ホットスポットの面積が個体サイズに比べて小さかったりすると低温火傷を起こしてしまうことがあります。
ホットスポット以外も暖突という保温器具や保温ライトを利用して温め段階的な温度状態をケージ内に作るようにしてください。
-紫外線ライト-
紫外線ライトは明るさと紫外線をもたらします。
紫外線ライトは日中、ホットスポットもしくはケージ全体に照射して使用します。
種類には蛍光灯タイプ(ケージ全体に一様に照射できる)、スパイラルタイプ(ケージ一ヵ所に照射)、メタルハライドランプ(強い紫外線と高い温度を供給できますが非常に高価)などがあります。
紫外線量は2.0、5.0、8.0、10.0の4つに分けられて販売されており数値が高いほど強い紫外線を放ちます。
昼行性で砂漠などに住む爬虫類には10.0か8.0、草原や森林に生息する爬虫類には5.0、林床や暗めの場所に住む爬虫類には2.0を使用します。
ただ夜行性や地中性爬虫類に対しては、日中は紫外線ライトを使用するのではなく太陽光に近い5000~6000Kの蛍光灯を使用するとベストでしょう。
もちろん紫外線ライトだけでは照度が足りない場合には、昼行性の種に対しても蛍光灯を使用するといいです。
2.サプリメント
ここまで紫外線ライトについて書きましたが、上で述べたように紫外線ライトの照射する紫外線量では爬虫類の要求量は満たせません。
ですのでサプリメントをエサにぬりカルシウムやビタミンD3を直接摂取させる必要があります。
カルシウム剤とビタミンD3入りのカルシウム剤を用意し基本的にはカルシウム剤を、時々ビタミン入りのものをエサに塗って給仕するといいです。
※ビタミンD3のとりすぎもクル病という病気と似た症状を引き起こすので注意が必要です。
3.屋外での日光浴
日光浴を好む爬虫類には、暖かい日に屋外で日光浴させてあげると非常に効果的です。
太陽に勝るバスキングライト、紫外線ライトはありませんからね。
衣装ケースの上にBBQネットを乗せたり、BBQネットで立方体を作って日光浴用の仮ケージを作るといいでしょう。
春から秋にかけて暖かい日に仮ケージに生体を入れて日光浴させます。
この際、ケージには1/2~2/3程度日陰ができるようにし暑さから逃げられるようにしてあげてください。
日光浴させる時間は温度にも寄りますが10~30分程度。
日本の夏は暑いですから、夏の時期は10分よりも短くてもいいかもしれません。
日光浴させてる間は、生体がオーバーヒートしたり猫や鳥に襲われること防ぐために片時も目を離さないでください。
日光浴する理由とさせ方はよく分かったでしょうか?
もちろんやったほうがよいですが、ステップのうち3はやってもやらなくても大丈夫です。
ただ1と2だけは絶対に行うようにしてください!!
この記事で正しい爬虫類ライフが送れることを願っています。
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