ソメワケササクレヤモリ
写真:Rod Waddington氏による”Paroedura Gecko, Madagascar“ライセンスはCC BY2.0に基づく
①ソメワケササクレヤモリの紹介と魅力
今回は、秘境マダガスカルに生息するソメワケササクレヤモリの紹介です。
インターネット黎明期に、ヒョウモントカゲモドキなどとともに日本にヤモリブームを生みました。
現在、ヒョウモントカゲモドキには人気でも知名度でも完敗を喫してしまいましたが、彼らの魅力が知られていないのははっきり言ってもったいないです!
適度な大きさ、品種の多様さ、飼育や繁殖の容易さ、手ごろな価格とおよそペットゲッコーが持つべき様々な要素でそこらへんのヤモリとは一線を画しています。
初心者にも十分おすすめできるヤモリですので、興味を持ったらぜひショップに足を運んでみてください。
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-基本データ-
写真:Bernard DUPONT氏による”Madagascar Ground Gecko (Paroedura picta)“ライセンスはCC BY2.0に基づく
学名:Paroedura picta 英名:Ocelot gecko 分類:ヤモリ科 ヤモリ亜科 ササクレヤモリ属 分布:マダガスカル南西部 全長:15cm 寿命:10~15年前後 価格:5000円~
②飼育環境の作り方
・飼育ケージ
ヤモリの仲間ではあるもののソメワケササクレヤモリは地上生傾向が強くほとんど壁に上りません
また、体も小さいですので、A4サイズ程度のフラットなタイプのケースで十分飼育が可能です。
基本的にはどのようなケージを選んでもよいですが、必ず通気性があるものを選んでください。
・温度
やや高めの温度を好むもののそう神経質になることはありません。
基本温度:25~26℃程度
保温部分:28~31℃程度
にしましょう。
パネルヒーターをケージの半分から1/3の面積に敷いて調整してあげてください。
ただ、夏場や冬場に厳しい温度が続く場合、危険ですのでちょうどよい場所に移動させたり、エアコンで管理して対策をとりましょう。
・湿度
乾燥した環境を好みます。
ただ、あまりにも乾燥しきった環境だと脱皮不全などの問題も発生しかねないので時々軽く霧吹きしてあげましょう。
・シェルター
ドライシェルター(乾燥しているシェルター)とウェットシェルターの2つを設置しましょう。
ドライシェルターは流木や小さな石などで作ってあげましょう。
※石の設置には注意が必要です。
床材の上に石を置くと生体がその下に穴を掘って押しつぶされてしまったり、何かの拍子に崩れたりして危険ですので、気を付けてください。
ウェットシェルターは市販の素焼きタイプのものを使用するのが便利です。
ウェットシェルターは上部のくぼみに水を入れることで、中の湿度が高めに保たれます。
これがあると脱皮不全が防げたりと何かと良い効果をもたらしますので必須です。
個体のサイズにあったものを設置しましょう。
・水容器
乾燥した環境を好むとはいうものの水を飲むので毎日新鮮な水を小さめのタッパーなどの容器に入れて与えてください。
・床材
乾燥した環境を好むので乾いたヤシガラ土や砂、ペットシーツ、キッチンペーパーなどが使えます。
それぞれの好きな素材を選びましょう。
・エサ
口に入るサイズのコオロギ、デュビア、ワーム類を与えます。
ベビーには毎日、アダルトには週2回程度の給仕で大丈夫です。
コオロギやデュビアの管理方法はこちらをチェックです↓
・カルシウム剤
カルシウムを与えないとクル病になる可能性が著しく高まります。
クル病は骨の形成がうまくされない病気であり、1回罹患するとなかなか治りませんし最悪の場合死に至る恐ろしい病です。
カルシウム剤にはカルシウムのほかにビタミンD3が含まれているのものもあり、含まれているものと含まれていないもの2つ用意する必要があります。
ビタミンはカルシウムの吸収を促す効果があります。
普段はビタミンが含まれていないものを餌に塗して与え、たまにビタミンが含まれているものを塗して与えてください。
※ビタミンの摂りすぎもクル病と似た症状が出る恐れがあるので注意が必要です
<エサを食べるソメワケ>
③繁殖について
一年中繁殖可能でよく育ったオスとメスを同じケージに入れて1~2週間放置すれば(一方が一方をいじめるようなら中止)交尾し、その後2~4週間後に乾燥した土に産卵をします。
卵はそのまま放置しておけば勝手に孵りますが卵の周りに糞をした場合は速やかに取り除くようにしてください。
産卵したメスはとてつもなく体力がなくなっているのでカルシウム剤を充分に塗した栄養価の高いエサを与えるようにします。