写真:NH53氏による”Smooth Knob-tailed Gecko“ライセンスはCC BY2.0に基づく
この記事の目次
①ナメハダタマオヤモリの紹介と魅力
今回は小型地表性ヤモリ、ナメハダタモヤモリについての記事です。
彼らの一番の魅力はなんといっても『かわいさ』。
ウルウルの瞳とタマオ(玉尾)が示す通り、玉がついた尻尾が非常にキュート!
昔はとても高価なヤモリでしたが現在では繁殖個体が数多く出回り(原産国からは輸出が禁止されている)だいぶ値段も下がりました。
いまならちょっと頑張れば手を出せる価格になっています。
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➁ナメハダタマオヤモリ 基本データ
学名 | Nephrurus levis levis |
英名 | Smooth knob-tailed gecko |
分類 | カワリオヤモリ科 タマオヤモリ属 |
分布 | オーストラリア内陸部 |
全長 | 12~14㎝ |
寿命 | 7~10年程度 |
価格 | 50000円前後~ |
- 乾燥地、森林地帯、乾燥した低木地、砂漠など様々な場所に生息
- 肉食性:クモ、バッタ、ゴキブリ、サソリ、ムカデ、甲虫から小さなヤモリまで捕食する
- 夜行性で夕暮れ頃に巣穴から出てくる
- 同じ地域に住む他のヤモリと比べて低温度への耐性が大きく、寒い夜間の行動によく適応している ※とはいえヒーターは飼育に必須
参考:海外wikipedia
➂飼育環境の作り方
飼育に必要なものです
- 飼育ケージ
- パネルヒーター
- 床材
- シェルター
- エサ
- カルシウム剤
以下で説明していきます。
1.飼育ケージ
A4サイズ程度の底面積があれば、なに不自由なく余裕をもって飼うことができます。
なんならもっと小さくてもよいでしょう。
飼育ケージにはシェルター、床材、水容器などしか入れなくてよいのでケージの高さはそれぞれの好みで選んでください。
2.温度はどれくらい?
遠赤外線ヒーターをケージの一部分(面積1/3~1/2)に敷き、一番温かいところで30℃程度、低いところで25℃程度を保ちます。
夏の間は30度℃以上の暑さが続くようなら涼しいところに移動してあげたり、エアコンで管理してあげてください。
3.シェルター
ドライシェルター(乾燥しているシェルター)とウェットシェルターの2つを設置しましょう。
ドライシェルターは流木や小さな石などで作ってあげましょう。
※石の設置には注意が必要です。
床材の上に石を置くと生体がその下に穴を掘って押しつぶされてしまったり、何かの拍子に崩れたりして危険ですので、気を付けてください。
ナメハダタマオヤモリは自然下ではトンネルを掘り、湿度が保たれた巣穴を作りますのでそれを再現するためにウェットシェルターを設置します。
ウェットシェルターは市販の素焼きタイプのものを使用するのが便利です。
ウェットシェルターは上部のくぼみに水を入れることで、中の湿度が高めに保たれます。
これがあると脱皮不全が防げたりと何かと良い効果をもたらしますので必須です。
個体のサイズにあったものを設置しましょう。
4.床材
先ほども言ったようにナメハダタマオヤモリは地面にトンネルを掘り巣穴を作ります。
ですので細かいタイプの砂を厚く敷き少し湿らしてやるとと立派な巣穴を作るようなのですが、観察しにくいですし餌を食べているのか判断しづらくなるのであまりお勧めできません。
かといって床材をキッチンペーパーやペットシーツにしてしまうと落ち着かないようなので砂を浅く敷いてやるのがベストです。
どうしても厚く砂を敷きたい場合は、生体がシェルターの下に穴を掘り下敷きになってしまうことを気を付けること、そして巣穴を壊すと大きなストレスを与えてしまうことによく留意して敷いてください。
5.エサはなに?
尾が痩せ気味のようであれば飲み込めるサイズのコオロギ、デュビアなどを食べるだけ与えてください。
尾がプリプリならば数日に一回の給仕でいいと思います。
彼らは餌をとるのがへたくそなのでコオロギの後ろ足を取り除いてから与えるといいと思います。
※導入してすぐにはストレスで消化機能が鈍っている可能性があるのであまり大きさエサや大量のエサは与えず水だけ飲ませるのがベターです。
コオロギやデュビアの管理方法はこちら↓
6.カルシウム剤
カルシウムを与えないとクル病になる可能性が著しく高まります。
クル病は骨の形成がうまくされない病気であり、1回罹患するとなかなか治りませんし最悪の場合死に至る恐ろしい病です。
カルシウム剤にはカルシウムのほかにビタミンD3が含まれているのものもあり、含まれているものと含まれていないもの2つ用意する必要があります。
ビタミンはカルシウムの吸収を促す効果があります。
普段はビタミンが含まれていないものを餌に塗して与え、たまにビタミンが含まれているものを塗して与えてください。
※ビタミンの摂りすぎもクル病と似た症状が出る恐れがあるので注意が必要です
➃水の飲ませ方
野生下では、朝方に結露した水滴などを舐めて水分補給していると考えられます。
そういうわけで、ナメハダタマオヤモリは水容器から水を飲むことはほぼないので、シェルター内に湿らせた水苔を入れたり夜間にケージ壁面に霧吹きをし給水します。
小さな体を考慮すると、脱水に弱いと思われるので、必ず毎日霧吹きしてあげましょう。
➄繁殖について
繁殖には生後2年以上経った健康的なアダルトを用います。
まず、冬季に1カ月ほどクーリングさせ、繁殖を促しましょう。
クーリングの際には20℃程度まで温度を下げ、その期間中は水だけを与えるようにします。
その後、温度を上げエサを与えペアを同居させます。
交尾できているか数日様子を見つつ、同居、別居を繰り返し交尾をさせます。
交尾が確認できたらペアを別居させます。
交尾後1カ月ほどで産卵するので、深さ10cm程度の容器に砂を入れて産卵床とします。
このとき、下の方は湿らせておきましょう。
卵は26~28℃で約70日で孵化します。
※産卵には尋常ではない体力を使うので、産卵後のメスには栄養価のあるエサにしっかりとサプリメントを塗し元気にしてあげてください。
➅個体の選び方
過度にベビーな個体は避けるべきです。
ベビーすぎる個体はうまく育てられなかったりするので最低でも5㎝は成長したものを購入したほうが安心です。
また、一般論として言えることをチェックリストにしてみました。
購入の際にぜひ参考にしてみてください。
□背骨が浮いていない
□指がかけていない
□脱皮不全していないか
□総排泄孔の周りが汚れていないか
□エサに餌付いているか←大事
エサは何を食べているか聞くとよりGOODです。