ナイルモニターの飼育方法
写真:Ozzy Delaney氏による”Nile Monitor“ライセンスはCC BY2.0に基づく
➀ナイルモニターの紹介と魅力
今回紹介するのは、大人気!!だけど長期飼育の例をあまり聞かないナイルモニターです!
ナイルモニターはめちゃくちゃかっこよくて圧倒的モニターらしさを兼ね備えていて、魅力がすさまじいんです!
でも、ちょっと性格に難ありの個体が多くて成長すると手に負えなくなってしまうパターンが多いんです。
ナイルモニターは日本で一番安く購入できる猛獣です。
ショップで安価で販売されておりよく調べずに飼育を開始してしまい、失敗する飼育者が多いです。
良く調べない飼育者ももちろん悪いですが、ナイルモニターが大型化することを、性格が厳つくなることをしっかり説明しないショップの責任であると私は考えています。
無責任なショップのせいで、不幸なナイルモニターが増えることは悲しいです。
飼育を開始する前にぜひこちらの記事を一読してほしいものです。。。
「なぜナイルのアダルトを飼っている人がいないのか」という疑問に対して
ビバリウムガイドの編集長である冨水氏がこうおっしゃっていました。
「嫌になって世話をしなくなるから」と。
想像してみてください。
ケージの扉を開けた瞬間150㎝前後のオオトカゲがとびかかってきたり、尻尾を振り回してくるのを。
日々のメンテナンスは確実に億劫になってしまいますよね。
ちなみに冨水氏はこうもおっしゃっています。
ナイルモニターは「完全に猛獣を扱う感覚で飼育に臨むのが良い」
もし飼育をするのであれば、それ相応の覚悟をもって飼育に臨んでください。
とってもかっこいいオオトカゲですので、幸せなモニターライフになることを願っています。
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-基本データ-
写真:Bernard DUPONT氏による”Nile Monitor (Varanus niloticus)“ライセンスはCC BY2.0に基づく
学名:Varanus niloticus
英名:Nile monitor
分類:オオトカゲ科 オオトカゲ属
全長:平均120~150㎝、最大243㎝
分布:アフリカ
寿命:15年程度
価格:8000~10000円前後
生態や特徴:
湿地、乾燥地帯、雑木林、湖沼、マングローブなど様々な環境に適応して生息している。
ナイルモニターは主にそうした環境の水辺で見られ、
普段は川に張り出した枝や開けた場所で日光浴をしている。
そして危険が迫るとすぐに水中に逃げ込む。縦に細い尾は水棲傾向が強いことを示す。
ナイルモニターは泳ぎに秀でるだけでなく、木登りも上手く、
5~6mほどの高さまで登ることができる。
水中や樹上だけでなく、穴や岩の隙間、シロアリの巣などにも隠れることが知られている
食性は肉食で、小さな脊椎動物、無脊椎動物を捕食する。
卵を探してワニの巣を襲うことで悪名高い。
➁飼育環境の作り方
飼育に必要なもの
- 飼育ケージ
- 遠赤外線ヒーター
- 爬虫類用サーモ
- 紫外線ライト
- 水容器
- 床材
- エサ
- カルシウム剤
以下で一つ一つ説明していきます。
・飼育ケージ
時々ベビーサイズの個体が大量に入荷しますので、多くの人はその時期に飼育を開始すると思います。
ベビーサイズのうちは60㎝程度のケージから始めるといいです。
最初から大きなケージを用意するとケージ全体を温める電気代がかさみますし、人に慣れにくくなります。
(ただでさえ普通より慣れにくいのに、もっと慣れなかったらひどいです)
成長に合わせてケージはサイズアップをします。
1年程度で1mを超える個体もいるようなので、割と早めに大きなケージが必要になります。
最終的には180×90×60㎝以上のケージで飼育しましょう。
ほとんどの場合この大きさのケージで飼育が出来るでしょうが、狭く感じたりするようでしたらもっと大きなケージを用意してあげてください。
ちなみにこの大きさのケージですと、市販されていませんので自作かオーダーメイドで作ってもらいます。
・温度(遠赤外線ヒーター)
基本温度は25~29℃程度、ホットスポットは45~50℃に保温します。
基本温度は暖突や保温球などで保温します。
爬虫類用サーモを併用すると温度調節が容易になりますのでおすすめです。
また、もしケージサイズが大きく他にも生体を飼育しているのならばいっそのこと部屋全体をエアコンで調節するほうが管理しやすいのでおすすめです。
ホットスポットにはバスキングライトを当てます。
ライトの大きさが小さかったりw数が小さいと、体がなかなかあたたmりきらず、低温火傷になる恐れがあります。
そういった場合は、バスキングライトを複数設置したりw数を上げたりして対策を取りましょう。
ベビー時は低温に弱いので注意が必要です。
・紫外線ライト
強めの紫外線ライトの設置が必須です。
日中、ホットスポットに紫外線ライトを照射してあげましょう。
自然の光で日光浴させてあげるのがベターです。
脱走とオーバーヒートに気を付けて、たまに外で日光浴を試してみてはいかがでしょうか?
紫外線ライトやバスキングライトの話はこちら↓
・床材
バスクチップ、ヤシガラ土、新聞紙、ペットシーツなどなんでもいいです。
ただ、ベビーのうちは乾燥に弱いので床材を水苔にしたり、床材をバスクチップにして一ヵ所水苔を設置するなど湿度が高い場所を設けるようにしてください。
・水容器
体が余裕を持って入るていどの大きさの水容器を設置してあげてください。
ベビーのうちはタッパーなどを、アダルトサイズは衣装ケースを利用するなど工夫して水容器を用意しましょう。
水容器は生体のトイレになったり、飲み水になったりするので常に清潔なものに保つようにしてください。
・エサ
ベビーのうちはできるだけコオロギやデュビアなどをガンガン与えておなかを満たすようにしてください。
大きくなったら昆虫だけで腹を満たすようにするのは至難の業ですので、鳥のささ身やハツ、砂肝、レバー、冷凍うずら、エビなどをバランスよく与えてください。
たまにでしたらマウスやラットを与えるのもアリです。
害虫ゆえに最高のエサ!?デュビアの本当に上手な管理法・繁殖法
・カルシウム剤
カルシウムを与えないとクル病になります。
クル病は骨の形成がうまくされない病気であり、1回罹患すると治りませんし最悪の場合死に至る恐ろしい病です。
カルシウム剤にはカルシウムのほかにビタミンD3が含まれているのものもあり、含まれているものと含まれていないもの2つ用意する必要があります。
普段はビタミンが含まれていないものを餌に塗して与え、たまにビタミンが含まれているものを塗して与えてください。
ビタミンの摂りすぎもクル病と似た症状を引き起こすので注意が必要です。
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