バナナスパイニーテールイグアナ
写真:Dick Culbert氏による”Ctenosaura pectinata“CC BY 2.0に基づく
この記事の目次
➀バナナスパイニーテールイグアナの紹介と魅力
恐らくトゲオイグアナの中で最も有名な種でしょう。
クシトゲオイグアナの体に黄色が乗り、やや温和な地域個体群がバナナスパイニーテールイグアナと呼ばれています。
しかしながら、現在ではクシトゲオとバナナスパイニーテールはかなり混同されており識別は難しくなっています。
本来のクシトゲオイグアナは黒味が強く、他のトゲオイグアナの例に漏れず性格は粗暴。
ちなみに、バナナスパイニーテールの中でもより慣れやすく黄色味が強いラインのものをイエローファントムと呼んだりします。
イエローファントムは非常に高価です。
トゲオイグアナの仲間は幼体時は樹上性が強く成長につれて地表性になっていくことが多いですが、本種では成体になっても樹上にもいることが多いです。
バナナスパイニーテールイグアナの魅力はなんといっても、黄色みの美しさとトゲオイグアナながら比較的穏やかだという点(個体によります!!)、そして何よりかっこいい。
ベビーのうちは将来的に美しくなるか、穏やかになるかはわからないので覚悟を持って飼育に臨みましょう。
基本データ/寿命 価格 大きさなど
和名:クシトゲオイグアナ
学名:Ctenosaura pectinata
英名:banana spiny tail iguana, mexican spiny-tailed iguana
分類:イグアナ科 トゲオイグアナ属
全長:90~120㎝前後
分布:アメリカ南部からメキシコにかけて
寿命:15年~
価格:10万円前後~、イエローファントムでは50~60万円前後
➁飼育環境の作り方
飼育に必要なものは以下の通りです。
- 飼育ケージ
- 各種保温器具&爬虫類用サーモスタット
- 紫外線ライト
- 床材
- 水容器
- 登り木
- エサ
- カルシウム剤
以下で一つ一つ説明していきます。
・飼育ケージ
樹上生傾向が強いということから、面積もとりつつ高さも取るという立体的なケージが必要となります。
幼体時は、個体の大きさに合わせ45×45×60㎝や60×45×60㎝の爬虫類用ケージを用いるといいです。
人慣れさせたければ、あえて小さめのケージで飼育することで強制的に慣れさせるということも可能です。
成体になると平均で80~90㎝前後になります。
単独での飼育であれば120×60×60㎝程度のケージで十分飼育が可能です。
このサイズになるとケージを自作するか、オーダーメイドで作ってもらうか、もしくはガラス温室を使用しなければなりません。
・各種保温器具&爬虫類用サーモスタット
日中の基本温度は27~28℃、ホットスポットは35~40℃、夜間の基本温度は25℃程度に保ちます。
ベビーのころは低温に弱い傾向があるので、冷やさないように注意してください。
基本温度は暖突や保温ランプ、ホットスポットにはバスキングランプを照射して保温してあげます。
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爬虫類用サーモスタットを併用すると温度差を設けられたり、ライトのオンオフが自動になったりととっても便利ですのでおすすめです。
・紫外線ライト
日中、高い紫外線量と光量が必要となります。
強い紫外線ライトを用いるのはもちろんのこと、熱帯魚用の明るいLEDライトなどを併用するとよいです。
お金に余裕があればメタルハライドランプの使用がベストです。
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・床材
ハスクチップやヤシガラ土などを敷いてあげましょう。
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・水容器
全身が浸れる大きさの水容器を用意します。
小さいうちは大きめのタッパーなどを、成体になったら衣装ケースをケージ内に入れるなどうまく水容器を設けてあげましょう。
また、静止してる水を飲み水として認識しないことがありますのでドリップしたり、エアレーションを行ったりして水を飲ませる工夫が必要となります。
・登り木
しっかりとした生体が登ることができる木をケージ内に配置してあげます。
流木や丸太を利用してうまくセットしてあげましょう。
・エサは何を与えるの?
草食傾向の強い雑食性です。
昆虫も好みますが(特にベビー)、あまり与えすぎると痛風になってしまうという意見もあります。
基本的には、緑黄色野菜や葉野菜をメインに据えて草食性爬虫類用人工飼料を補助的に与えつつ、時々コオロギやデュビアなどを与えるといいです。
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・カルシウム剤
カルシウムを与えないとクル病になります。
クル病は骨の形成がうまくされない病気であり、1回罹患するとなかなか治りませんし最悪の場合死に至る恐ろしい病です。
カルシウム剤にはカルシウムのほかにビタミンD3が含まれているのものもあり、含まれているものと含まれていないもの2つ用意する必要があります。
ビタミンはカルシウムの吸収を促す効果があります。
普段はビタミンが含まれていないものを餌に塗して与え、たまにビタミンが含まれているものを塗して与えてください。
※ビタミンの摂りすぎもクル病と似た症状が出る恐れがあるので注意が必要です
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