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この記事の目次
①オマキトカゲの紹介と魅力
今回紹介するのはほぼ完全樹上性の大型スキンク!!オマキトカゲです。
名前の由来通り不器用ながらも尻尾を利用し太めの幹や枝にしがみつき、植物を食べて暮らしているめずらしいトカゲです。
アオジタトカゲなどに似たような迫力のある体躯をしているのにもかかわらず樹上性だということで、観察しているとすごく面白いです。
実は、オマキトカゲには完全樹上性・完全草食性であること以外にもっと面白い習性があります。
それは、オマキトカゲの幼体は親の糞を食べて成長するという点です。
オマキトカゲの食べる植物にはポトスなど毒性のあるものも含んでいます。そういった植物の有害成分を解毒するバクテリアを糞を食べることで受け継ぐのです。
ユーカリを分解するために親の糞を食べるコアラにまるでそっくり!!
非常に面白い習性だと思いませんか!?
現地ではペットトレードの影響で個体数が減少しており、一時期輸出がストップしていることもありました。
もし飼育するのであれば、繁殖までするつもりで飼育をしましょう!!
やろうぜ!!コアラトカゲの繁殖!!
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-基本データ-
学名:Corucia zebrata
英名:Prehensile-Tailed Skink,Mnkey-tailed Skink
分類:トカゲ科 オマキトカゲ属
全長:80㎝程度
分布:ソロモン諸島
寿命:20年以上
生態や特徴
日中は木の洞などにひっそりと隠れている。
夜になると餌となる植物(主にサトイモ科)や花、果物を求め活動を始める。
外敵に狙われると口を大きく威嚇する。
それでも足りない場合普段の姿からは想像できない素早い動きでかみつく。
繁殖形態は卵胎生。
②飼育環境の作り方
飼育に必要なもの
- 飼育ケージ
- 遠赤外線ヒーター
- 爬虫類用サーモ
- (バスキングライト)
- 紫外線ライト
- 水容器
- 床材
- シェルター(登り木、隠れ家)
- エサ
- カルシウム剤
以下で一つ一つ説明していきます。
・飼育ケージ
樹上性でなおかつ大型のトカゲであることから大きなケージが必要になります。
ただ、そう動き回る種ではないので工夫次第でスペースを抑えられるのも事実です。
現実的には、最低でも90×45×60㎝のケージを使用するといいでしょう。
もっと大きなケージを使用したい方は自作するか、オーダーメイドで作ってもらうといいと思います。
その際には、ケージには通気性を保つためにメッシュの素材を使用したりすることはわすれないように!
・温度(遠赤外線ヒーター、爬虫類用サーモ、バスキングライト)
日中の基本温度は26~28℃、夜間は22~24℃に保つと完璧です。
暖突や保温球と爬虫類用サーモを併用して調節するといいでしょう。
バスキングスポット(日光浴)するための場所には、日中バスキングライトを照射してやり30~32℃程度に保ちます。
ただしこれは、夜行性だから必要ないという方もいます。
個体の様子をみて日中でもよく活動するようなら照射してやるといいと思います。
・紫外線ライト
必要ないという方もいますが、ケージ内を明るくさせる意味でも弱めの紫外線を含む紫外線ライトを日中照射してあげるといいでしょう。
紫外線ライトやバスキングライトの話はこちら↓
・湿度(床材、水容器)
通気性が高い多湿の環境を好みます。
床材には、ヤシガラ土など保湿力のある床材を使い定期的に霧吹きをするといいでしょう。
ケージ内には、体全体が入ることができる水容器を設置します。
水容器の設置は、飲み水として使うほか空中湿度を高めたり体を浸したりするのが目的ですので毎日新鮮なものに取り換えるようにしてください。
静止している水が認識できない可能性があるので、水を飲んでいなさそうな場合にはドリッパーから水容器に水が滴り落ちるようにしてあげてください。
・シェルター(登り木、隠れ家)
樹上性であり隠れるのが好きなトカゲですのでシェルターには気を使うべきです。
ケージが小さめのものを使用するのであればなおさら気を使うべきです。
ケージ内にはしっかりと個体の体を支えることができる大きさの流木を設置したり、コルクボードや鉢底ネットを壁面に張ることで上下に動け回れるようにしてあげましょう。
また、コルクチューブに湿らせた水苔を入れたものを設置してあげると、野生下で彼らが隠れ家として利用している多湿の洞を再現できます。
・エサ
主にチンゲンサイ、コマツナ、モロヘイヤ、ニンジン、豆類などを与えます。
他にもサブのエサとして、カボチャやサツマイモ、コーン、成体イグアナやリクガメ用のフードを与えるといいでしょう。
たまに、リンゴやバナナ、モモ、ベリーなどを与えるのもありです。
できるだけバランスよく様々なえさをあたえるようにしてあげてください。
注意事項として、ネギや玉ねぎ、ニラ、ニンニク、ホウレンソウなどの野菜は与えない。
意外ですがキャベツやブロッコリー、白菜、レタスもよくないと聞きます。
与えてもよい野菜や果実についてのまとめ記事です↓
・カルシウム剤
カルシウムを与えないとクル病になります。
クル病は骨の形成がうまくされない病気であり、1回罹患すると治りませんし最悪の場合死に至る恐ろしい病です。
カルシウム剤にはカルシウムのほかにビタミンD3が含まれているのものもあり、含まれているものと含まれていないもの2つ用意する必要があります。
普段はビタミンが含まれていないものを餌に塗して与え、たまにビタミンが含まれているものを塗して与えてください。
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③繁殖について
オマキトカゲは普段から雌雄同じケージに入れて飼育しても大丈夫です。(オス同士は絶対ダメです)
もちろん、そういった場合にはケージはかなり大きなものが必要です。
冬場に全体的に2~3℃下げてクーリングを行い発情を促します。
卵胎生のためか妊娠期間が長く、7カ月間の妊娠期間を経た後1~2匹の子供を産みます。
その語約1カ月間、親が子育てをします。
‐注意点₋
出産が近くなったら生まれた個体が溺れないように、大きい水容器は置かないようにする。
④ハンドリングについてメモ
性格のきつい個体が多いといいます。
触ろうとするととびかかって噛もうとしてくる個体は少なくありません。
一方で、飼育者を見ると寄ってきてそのまま腕に上ってくるまで慣れる個体もいるようです。
どうしてもハンドリングを楽しみたい方は、おとなしくてハンドリングができる個体かどうかよく聞いてショップで購入するといいと思います。